マットレスを見直して腰痛改善
女性や高齢者の腰痛
女性や高齢者など、筋力がない方は腰痛に悩んでいる場合が少なくないでしょう。
腹筋や背筋などで腰を支えられないと腰への負担が増えてしまうからです。
とはいえ、頑固な腰痛の原因は、多くの要因が複合して、困難な症状を生み出してしまっているはずなので、腰痛を抑えるためには日頃の生活習慣を改める必要があります。
マットレスで腰痛や肩こりを軽減
とりわけ、1日の中で多くの時間を過ごすマットレスの見直しは最優先でしょう。
人の体重を支え、寝返りをサポートしつつ、快適な寝心地を提供するマットレスは、腰痛持ちには見逃せない存在です。
特に筋力がない女性や高齢者の場合、自然な寝姿勢を維持してくれ、睡眠時に無駄な筋力を使わなくて済むようにしてくれるマットレスの存在が非常に重要になるのです。
どれだけ優れたマットレスを選ぶかによって、疲労回復の度合いが違ってきます。
当然、翌日の腰の痛みも違ってきます。
「腰痛改善」=「自分に合ったマットレス」と言っても決して間違いではないはずです。
腰痛マットレスを選ぶ基準
腰痛解消のため、どういった条件のマットレスを選ぶかを考えてみましょう。
マットレスと言っても、体圧分散を重視した高反発マットレスもあれば、柔らかく寝心地を重視した低反発マットレスもあります。
ベッドの枠に収まるコイル系マットレスもあれば、ベッドを使わず床に直置きできる布団型のマットレスもあります。
このように、マットレスは実に様々なタイプがあるのです。
腰痛によいマットレスは高反発マットレス
一般的に腰痛改善には「高反発マットレスがよい」と言われています。
これは間違いがなく、現在の売れ筋マットレスの多くは「高反発マットレス」です。
ただ、高反発マットレスと言ってもピンキリです。
楽天などで売っている生産国不明の数千円の粗悪品もあれば、睡眠科学から生み出された最新の機能性マットレスまでが同じ高反発マットレスとしてカテゴライズされています。
高反発マットレスだからと言って、すべてが高品質ではないのです。
また比較的高品質なマットレスであっても、感触が硬すぎて寝心地が悪いマットレスがあったり、折りたたみができないなど、自室の環境によっては利用しづらいケースもあるでしょう。
さらに、機能性は高いもののの、明らかに高額すぎるボッタクリマットレスなどもあるので、総合的な選択が大切です。
体圧分散機能を重視する
高反発マットレスであっても、体圧分散性に劣ると、腰部分に余計な負担がかかりやすくなります。
体圧分散機能は、高額なマットレスほど優れている傾向にあるので、十分な体圧分散機能を有したマットレスを選択したいところです。
また、体圧分散性と同じくらい大切なのが、マットレスの厚みです。
エアウィーヴなど、マットレストッパーに代表されるような薄型のマットレスは、姿勢を安定しやすく、寝心地を変えられる利便性がある反面、マットレス自体の厚みがなく、どうしても底付き感が出てしまうため、十分な体圧分散ができなくなる恐れがあります。
最低でも8cm以上の厚みがあるマットレスを選ぶようにしましょう。
一方、あまりに硬すぎるマットレスだと反発力が強くなりすぎて、体圧分散が上手くできず、逆に腰痛を悪化させる場合もあるため注意が必要です。
自身の体型や体重などを考慮し、適度な硬さのマットレス選びが重要になります。
低反発マットレスはNG
低反発マットレスは柔らかく寝心地は悪くないものの、あまり反発力がないため、沈み込みが大きくなる致命的な欠点があります。
沈み込むのは、頭部や腰といった身体の重い部分なので、そこを支える筋肉に負担がかかりやすくなります。
頭を支える首や肩、そして腰などの特定の部位に負荷がかかれば、そこの血流が悪化し、疲労が蓄積していきます。
それが長年積み重なれば、ある日「腰痛」や「肩こり」と言った症状で現れてくるのです。
寝ながらにして腰痛や肩こりになりやすいのは「低反発マットレス」です。
寝心地だけを優先するのではなく、マットレスの機能を重視して、買うべきマットレスを正しく選択してください。
ということで、低反発マットレスは、腰痛や肩こりのある方には、あまりおすすめできません。
そのため、基本的には高反発マットレスが選択の中心になりますが、いずれにしても最適なマットレスの条件は、体型や体重によって変わってくるので、自身に合ったものを選択しなければいけません。
体重別のマットレスの選び方
マットレスには硬さがある
腰痛改善に向いている高反発マットレスと言っても、全ての商品が同じ硬さではなく、寝心地や体圧分散を目的に細かい仕様に分けられています。
硬さは反発力とほぼ同義であり、反発力が体重に合っていれば体圧分散がしっかりでき、腰への負担が軽減されるようになるのです。
高反発マットレスの反発力は「ニュートン」と呼ばれる単位で表されます。
大抵の商品にはニュートンまたは「N」といった数値で表記されています。
反発力は実際に寝転んでみないとわからないことも多いですが、数値で判断できれば商品に触れずとも選択しやすくなるのは間違いありません。
マットレスの硬さの詳細
ニュートン数 | 硬さ |
100N以上 | 硬い |
60N~100N未満 | 普通 |
60N未満 | 柔らかい |
反発力の基準は60N未満なら柔らかめで低反発並みとなっており、60~100N未満で一般的な反発、100N以上が硬めのものとなっています。
しかし、100Nでも高反発といった印象は受けにくく、腰痛持ちの人には硬さが不足している感じがあります。
腰痛向けの商品は120~170Nで販売されているので、この範囲で選択するのが一般的です。
ただし、商品化するものは体重が80kg前後の人向けに開発されているため、体重が軽いお子様や女性、高齢の方は、ニュートンの数値を少し柔らかめにしてもいいかもしれません。
100Nは体重50kg以下の人向けで、特に子どもであったり、女性にはぴったりの数値と言えます。
170N以上が体重80kg以上の人向けで、200Nを超えるとほとんど沈み込みを感じにくくなり、畳の上で寝ているような感覚になりやすいですが、硬い寝心地でないと安心できないといった人にはよいかもしれません。
また、高身長で体が細い人は高反発の効果を感じにくい場合もあるので、少し柔らかめのものを選ぶよいでしょう。
女性のマットレスの選び方
女性のマットレス選びのポイント
人間は男性と女性で骨格や筋肉の作りが違います。
これは見た目だけでもはっきりわかるものです。
女性は身長が低めで筋肉量は少なく、全体的に丸みのある体型となっています。
眠る時の姿勢は骨格や体重に左右されるため、当然、男女で睡眠姿勢に違いが出てきます。
一般的なマットレスは平均的な数値を元に商品化されているため、女性が理想的な姿勢で眠るためには、女性の体格に合ったものを選ぶ必要があります。
女性はマットレスの硬さに注意
腰痛持ちなら硬めのマットレスがよいとされますが、女性の場合は体重が軽いだけでなく、体が柔らかいので、高反発以外の選択肢も出てきます。
基本的には柔らかめの高反発マットレスを選択しますが、高身長でモデル体型のような女性であれば、やや硬めの低反発マットレスも選択肢になるかもしれません。
基本的に低反発マットレスはあまりおすすめできませんが、この場合は例外的にアリになる可能性があります。
女性はポケットコイルマットレスを選択肢に
低身長の人で体重が軽ければ、低反発マットレスやポケットコイルマットレスも対象候補になるかもしれません。
スプリングタイプのボンネルコイルマットレスは、硬めの素材となっているため、自分に合っているかどうか注意して選択しなければいけません。
注意しておきたいのが寝返りのうちやすさで、女性は特に腰を大切にしなければいけないため、骨の位置を修正したり血行をよくするための寝返りが重要になってきます。
硬すぎるのも問題ですが、体が沈み込みすぎて寝返りがうちにくいといった柔らかさも問題になります。
ちょうどいい硬さの高反発マットレスが見つからない場合は、適度な反発力のあるポケットコイルマットレスも選択肢になるでしょう。
マットレスはニュートンと呼ばれる硬さを表す数値を参考に、自分の体重に合わせ一律で選択するのもよいですが、女性の場合は体格によって体重に差が出てきやすいので、店舗に足を運んで実際のマットレスに触れてみるのもよいかもしれません。