理想的な敷き布団
敷き布団とマットレスの違い
あなたは敷き布団派でしょうか、それともマットレス派でしょうか。
多くの方が敷き布団かマットレスを使って毎日寝ているはずですが、この敷き布団とマットレスには明確な定義がありません。
なんとなく、畳の上に敷く伝統的な和風な寝具が敷き布団で、洋風な寝具がマットレスといった曖昧な認識のまま、敷き布団とマットレスを選んでいるのです。
敷き布団とマットレスの組み合わせ
この不明瞭な認識のまま使用されている敷き布団とマットレスですが、それぞれに特徴やメリット・デメリットがあります。
最近の快眠志向の高まりもあり、それぞれの長所を組み合わせて使うユーザーが増えています。
ある寝具会社の使用調査によると、敷き布団を一枚か、若しくは敷き布団にマットレス一枚をプラスして寝ているケースが最も多いようです。
気密性が高い集合住宅などでは、隙間風や底冷えなどが少ないため、保温性に優れた機能性マットレスは不要で、冬でも昔ながらの敷き布団一枚で十分かもしれません。
しかし、最高の寝心地を追求したいのであれば、マットレスの併用は必須でしょう。
最新の機能性マットレスは驚くべき進化をしているので、敷き布団の寝心地とは比較にならないのです。
とはいえ、敷き布団が悪いわけではありません。
季節や住んでいる地域、さらに住居のスタイルや個人の好みによって、敷き布団とマットレスを自由に組み合わせたり、自分にとって最適になる寝心地を探求してみるといいでしょう。
ただ、寝心地のよい寝具には、ある一定の法則があると知っておく必要があります。
「三層構造」が快眠の必須条件
寝心地のよい寝具の法則とは「三層構造」です。
心地よい眠りのために敷き布団やマットレスには、三層が求められるのです。
まず、体を優しく受けとめるための柔らかい構造が表面層である一層目。
そして、中間層になる二層目は、姿勢を正しく保つために、かなり硬めの構造が理想的です。
最下層の三層目は、全体にかかる衝撃を受けとめる弾力ある構造。
これが三層構造の構成です。
必ずしも三つの部分が明確に分かれている必要はありませんが、とりあえず、柔らかい構造と硬め構造、そして再び柔らか構造となっていれば、一定の寝心地が確保されます。
敷き布団の下にマットレスを敷く
最もポピュラーなのは、一層目が敷き布団、ニ層目はマットレスで、三層目は畳やフローリングのパターンではないでしょうか。
体が触れる一層目には柔らかい敷き布団、その下のマットレスがクッションのような役割を果たしてくれるので、床づき感が軽減されるメリットがあります。
ただ、柔らかい敷き布団をニ枚重ねると、中間層となる二層目の役割がなくなってしまいます。
二層目が体重を支えられないと、ふわふわしすぎて寝心地が悪くなるばかりか、腰が沈み込んでしまい、「くの字」のような体勢で寝ることになります。
これは腰痛の原因になるので、要注意です。
この防止策として、新しい敷き布団と使い続けて硬くなった古い敷き布団を組み合わせて使うのも良い方法です。
これなら敷き布団の組み合わせだけで三層構造が実現できるのです。
いずれにしても、硬めの敷き布団およびマットレスを選んで、ニ層目の役割をきちんと果たせるようにするのがポイントです。
敷き布団の上にマットレスを敷く
一層目と二層目を逆にした敷布団の上にマットレスを敷くパターンもあるでしょう。
体に触れる一層目にマットレスがあれば、体圧分散性を上げる効果が期待できます。
また、高反発マットレスを使用する場合、寝返りが格段にしやすくなるメリットもあります。
寝返りの度に目が覚めなくなり、自然と快眠できるようになるため、朝の目覚めが違ってくるはずです。
敷き布団とマットレスの腰痛対策
長年敷き布団を使っていた人がマットレスに変えた途端、腰を痛めてしまう人がいます。
その原因は「マットレスの硬さ」にあるのです。
敷き布団からマットレスに買い換える場合は注意が必要です。
マットレスが柔らかい
一番多いのは、新しいマットレスが柔らかいケースです。
硬めの寝心地の敷き布団で寝ていた人が、やや厚みのあるマットレスに買い換えるとなりやすいので注意しましょう。
敷き布団は薄く硬めな寝心地ですが、最新のマットレスは体圧分散性追求のために柔らかいウレタンフォームを大量使用するので、敷き布団よりは柔らかめな寝心地になります。
最新の睡眠科学から生まれたマットレスの寝心地が悪いはずはありませんが、硬めの敷き布団に慣れた方がいきなり睡眠環境を変えると違和感を感じるでしょう。
最高のマットレスであっても、今までの寝心地とかけ離れていると腰痛の原因になるのです。
マットレスが硬い
安価なマットレスを買ってしまう方が陥りやすいケースです。
特に1万円以下のマットレスは、使用しているウレタン素材が劣悪なので、クッションの役割を果たせないため、どうしても寝心地はゴツゴツしてしまいます。
起床時のいきなりの腰痛は、硬いマットレスが原因であるケースが多いのです。
もしマットレスが硬いと感じるようであれば、マットレストッパーで寝心地を改善しましょう。
マットレスが馴染むのには時間が必要
敷き布団とマットレスの寝心地が完全に同一なことはあり得ず、どうしても寝た印象は変わってしまいます。
その違いにすぐ慣れる人もいれば、当初は違和感となってしまう人もいるでしょう。
そのため、最初の1~2週間は体が新しいマットレスに馴染む時間との割り切りが必要です。
もし数週間使っても違和感が一掃されない場合は、マットレスとの相性に問題があるかもしれません。
マットレストッパーの併用や敷き布団への回帰を検討してください。
高反発マットレスなら1枚ですべてを満たす
敷き布団とマットレスを組み合わせる場合は、「底づき感」か「体圧分散性(寝返りサポート)」のどちらを優先するか。
これによって、敷き布団とマットレスのどちらを上にすべきかが決まってきます。
しかし、最近の睡眠科学の発展により、「スリープテック」と呼ばれる技術が伸展してきました。
まさに、快眠するための技術です。
これによって生み出されたのが「機能性マットレス」です。
機能性の高い高反発マットレス
最新の機能性マットレスは、もはや敷き布団を必要としません。
敷き布団を使わずに、マットレス一枚だけで快眠が実現できてしまうのです。
最近のマンションは和室がなくなり、多くがフローリング敷きになっています。
その上、室内では靴を脱ぐのが一般的な日本の生活では、フローリングの上に直接マットレスを敷けます。
ベッドフレームがなくても、マットレス1枚だけで寝られます。
これも最新の睡眠科学から生み出された技術と言えるでしょう。
さらに、いろいろな機能を持つ高性能マットレスが販売されるようになりました。
高反発マットレスのメリット
西川Air
機能性の高い高反発マットレスは、腰痛など体の痛みをマットレスの力で改善しようと開発されました。
その原点は「ムアツ布団」です。
点で支え体圧を分散させる技術はこのムアツ布団から普及し、今では東京西川の人気マットレス「Air」などに受け継がれています。
エアウィーヴ
その後、磁石入りの布団や低反発マットレスなども流行りましたが、どれも腰痛対策には不十分でした。
その結果として生まれたのが「エアウィーヴ」に代表される、機能性の高い高反発マットレスだったわけです。
このところ注目されているエア系マットレスは、洗えるのもメリットのひとつです。
マットレス自体が洗えるようになったので、常に衛生的です。
ダニやカビ対策にバッチリなので、日本の蒸し暑い夏の夜の汗も気になりません。
また、薄く軽量で持ち運べるので、移動先に持ち込めるのも人気の理由になっています。
今では多くのトップアスリートが使用し、睡眠から健康を支えるまでになっています。
折りたたみの高反発マットレスも人気
機能性の高い高反発マットレスにはいろいろなタイプがあります。
折り目がない敷き布団タイプもあれば、三つ折り、四つ折り、六つ折りなどの折りたたみ式もあります。
折りたたみ式の高反発マットレスは、起床後に折りたたんで小さくして、押し入れやクローゼットの中にしまえます。
これまでのベッドであれば、室内空間を占領してしまっていましたが、折りたたみ式の高反発マットレスなら、室内を有効活用できるので、ワンルームマンションなどでの一人暮らしの方から多くの支持を集めるようになっています。
高反発マットレスの活用まとめ
このように機能性の高い高反発マットレスはおすすめです。
高反発マットレスであれば、もう敷き布団と組み合わせる必要はなく、それ単体で快眠できるのです。
とはいえ、敷き布団の役割がなくなるわけではありません。
敷き布団は、保温や湿度対策ができるか。
また、高反発マットレスにはない寝心地の良さなどが優先されるでしょう。
特に三層構造の条件を満たせれば、敷き布団はまだまだ活躍できます。
高反発マットレスの活用を中心に、敷き布団との組み合わせ方法を考慮し、最も自分に合った寝心地を追求してみてください。