今、最も売れているのが「洗えるマットレス」です。
衛生的な洗えるファイバーマットレスは、エアウィーヴのような高級品から、アイリスオーヤマ、ニトリ、無印良品の汎用品、また低価格帯の無名ブランドまで、幅広く売られています。
特にニトリの洗えるファイバーマットレスは人気です。
ニトリと東洋紡が共同で製品化した薄型トッパーは使用中の寝具の上に敷くだけで簡単に寝心地の調整ができ、腰痛対策にもなります。
洗えるファイバーマットレスが人気
衛生的な睡眠環境のニーズ増加で「洗えるマットレス」が人気になっています。
洗えるマットレスの代表格は「高反発ウレタンマットレス」か「ファイバー系(エア系)マットレス」ですが、エアウィーヴに代表されるファイバー系(エア系)マットレスの売れ行きが好調のため、他社も追随し、新たなファイバー系マットレスが次々に発売されています。
ファイバー系マットレス最大の長所は、専門業者でのクリーニングではなく、自宅で簡単に丸洗いができる点。
シャワーで洗い流すだけで、簡単にカビやダニ対策ができるので、お子様のいる家庭では重宝するでしょう。
一方で「寝心地が硬い」とのネガティブな面もあるので、万人向けではないかもしれません。
流行に左右されるのではなく、自分に合ったマットレス選びが重要です。
ファイバーマットレスとは
ファイバー系マットレス市場を作ったのは、テレビCMでもお馴染みの「エアウィーヴ」です。
浅田真央さんや錦織圭選手も愛用するマットレスとして有名になりました。
エアウィーヴは、元々釣り糸製造会社でしたが、その技術をマットレスに転用し大成功したのです。
ポリエチレンの高分子繊維を絡め合うようにして編み、マットレスに成形しています。
ポリエチレン素材は水や汚れに強い特徴があり、さらに無臭で人体への悪影響がありません。
その上、適度な弾力を持っているので、マットレスに適した素材だったのです。
それを編み込むようにして成形されているので、通気性がよく、体圧分散性にも優れています。
さらに気軽に丸洗いできる利便性から、人気に火が付きました。
ファイバーマットレスのメリット
ファイバーマットレスには「体圧分散性」「洗えて衛生的」「通気性がよい」などのメリットがあります。
体圧分散性は、寝心地や疲労解消に貢献します。
また、洗える上に通気性がよいため、常に衛生的でアレルギー対策にも最適です。
マットレス内部に金属製のスプリングが内蔵されているコイルマットレスは、重く、移動が困難で、通気性もよくないため、どうしても不衛生な環境を強いらますが、ファイバーマットレスはコイルマットレスの弱点を補う、全く新しい概念のマットレスとして登場した点が画期的だったのです。
体圧分散性
ファイバー系マットレスは体圧分散性に優れているので、寝姿勢が崩れません。
その上、適度な反発力があり、寝返りをサポートしてくれるので、血流が促され、老廃物が蓄積しないので、疲労回復が早くなります。
多くのアスリートに支持される理由は、優れた体圧分散性による疲労回復にあるのです。
洗える
ファイバーマットレスは自宅の常温シャワーで簡単に水洗いができます。
梅雨時や真夏の熱帯夜に大量の寝汗をかいた日でも、すぐに洗えるので衛生環境を維持できるのです。
丸洗いで、カビやダニ対策も万全。
ファイバー素材は水を吸収しないので、陰干しをするだけで脱水ができ、短時間で乾燥できます。
洗っても型崩れしない耐久性があるので、寝心地は変わりません。
通気性がよい
ファイバーマットレスは圧倒的に通気性に優れています。
簡単に空気が抜けていく(循環する)ので、汗による湿気などがマットレス内部にこもりません。
湿気がこもらないので、カビ発生リスクが大幅に減るのです。
また、臭いもこもらないので、嫌な汗の臭いも気にならないでしょう。
アレルギー対策
マットレス内部に金属のスプリングを内蔵するコイル系マットレスは洗えないので、ホコリやダニの死骸などのハウスダストが溜まり、アレルギーの原因になることがありました。
しかし、ファイバーマットレスであれば、ホコリやダニの死骸も水洗いできれいになるので、アレルギー対策はバッチリです。
アレルギーをお持ちのお子様や花粉などに敏感な人にもおすすめのマットレスなのです。
ファイバーマットレスのデメリット
通気性に優れ、洗えて清潔なファイバーマットレスですが、欠点もあります。
特に「熱」が最大の弱点です。
ファイバーマットレスを使用する場合、高温を避ける工夫が必要になります。
熱に弱い
ファイバーマットレスは熱に弱い素材でできているので、電気毛布や電気マット、湯たんぽなどの併用は絶対にNGです。
最悪の場合、ファイバーマットレスが熱で溶けてしまう可能性があります。
形が崩れてしまえば、廃棄するしかないので、くれぐれも熱には注意が必要です。
また、天日干しも避けた方がいいでしょう。
干す場合は、陰干しが推奨されています。
底冷え感がある
ファイバーマットレスは通気性のよさが逆に欠点になるケースがあります。
特に薄手のファイバーマットレスをフローリングに直接敷く場合は、床からの冷気で寒さを感じるかもしれません。
特に冬の北国で床暖房がない室内では直置きは寒く感じるでしょう。
冬場はベッドの上での使用がおすすめです。
寝心地が硬い
ファイバーマットレスの寝心地は少し硬めです。
特に女性や高齢者など、体重が軽い方は硬く感じてしまうかもしれません。
柔らかめの寝心地が好きな方は、事前に試し寝をした方が安心です。
ファイバーマットレスの選び方
洗えるファイバーマットレスを選ぶときのポイントは「形状」「ファイバーの厚み」「マットレスカバー」の3点です。
この3点を総合して優先度を決めれば、自分に合ったファイバーマットレスを選べるでしょう。
三つ折りの分割タイプがおすすめ
ファイバーマットレスには敷き布団タイプもありますが、おすすめは「三つ折りタイプ」です。
三つ折りタイプは、折りたためてコンパクトになるので、収納性は抜群。
簡単に押し入れやクローゼットにしまえます。
それでも5~10cm程度の厚みがあるため、一定の寝心地が期待できます。
軽量で持ち運びも容易なので、キャンプや車中泊にも最適です。
3分割できるファイバーマットレスは、汚れた部分の中材だけを取り出して洗えるので大変便利です。
また、中材を入れ替えれば、ファイバー素材の劣化を防げます。
エアウィーヴは、ファイバーが硬い面と柔らかい面のリバーシブル構造になっているので、体重のかかる腰部分(真ん中部分)だけを硬い面にしておけば、沈み込みを防止でき、正しい寝姿勢が維持しやすくなります。
ファイバーの厚みで選ぶ
ファイバーマットレスには、単体で使える「敷き布団タイプ」と、使用中のマットレスや敷き布団の上に重ねて使う「マットレストッパータイプ」があります。
敷き布団タイプ
ファイバーの厚みが10cm以上ある厚手のマットレスは、単体で寝られます。
厚みがあるため、底づき感がないので、フローリングに直接敷いても問題ありません、
ベット用のマットレスとしても使えます。
マットレストッパータイプ
厚みが3~7cm程度の薄手のマットレスなので、単体で使うと底づき感があります。
使用中のマットレスや敷き布団の上に敷く「トッパー」としての使い方がおすすめです。
既存のマットレスや敷き布団はそのままに、トッパーを敷くだけで、簡単に寝心地や通気性のよさを変えらるので便利です。
また、トッパーが正しい寝姿勢を維持してくれるので、腰痛対策にも最適です。
マットレスカバー
ファイバーマットレスは、少し硬めの寝心地なので、マットレスカバーの機能も重要です。
マットレスカバーが薄く、素材が粗悪だと、ファイバーマットレスのゴツゴツ感じがして、寝心地が悪く感じるでしょう。
また、通気性の高いマットレスカバーを使えば、ファイバーマットレス本来の通気性を阻害しないので、さらっとした寝心地が維持できるでしょう。
洗えるファイバーマットレスおすすめランキング
通気性に優れ、ダニやカビの心配がない人気のファイバーマットレスのランキングです。
マニフレックス メッシュ・ウィング
アイリスオーヤマ エアリーマットレス エクストラ
エアウィーヴ マットレス スマートZ
東洋紡 ブレスエアー 洗えるマットレス 三つ折り
ニトリの洗えるファイバーマットレス
お手頃価格でそれなりの品質の商品が多くラインナップされているニトリのマットレスは、大きく5つのカテゴリに分かれています。
②ボンネルコイルマットレス
③低反発マットレス
④高反発マットレス
⑤折りたたみマットレス
つまり、厚みがある敷き布団タイプの洗えるファイバーマットレスは、残念ながらラインナップされていません。
但し、薄型のトッパータイプとして東洋紡と共同開発した「エアトリップ」があります。
エアトリップは、あくまで既存のマットレスの上に敷くためのトッパーなので、エアトリップ単体で寝るのは難しいでしょう。
さらに、ファイバー素材の密度が薄く、耐久性に問題があるとの口コミがありましたので、マニフレックスやアイリスオーヤマのエアリーシリーズなどを代替候補におすすめします。
尚、ファイバーマットレスはエアトリップだけですが、商品ラインナップの多いニトリだけあり、カバーが洗えるマットレスは豊富に用意されています。
無印の洗えるファイバーマットレス
人気の無印良品には洗えるマットレスがラインナップされています。
商品名は「洗えるマットレス・固クッション」です。
価格はスモール44,900円からで、シングルは49,900円と比較的高額です。
三つ折りができるので、畳んで押入れやクローゼットに収納したり、部屋の隅にまとめておけて便利です。
マットレス自体の厚みは13cmとかなりのボリュームなので、底づき感とは無縁でしょう。
寝心地は一般的なマットレスに比べると固めで、必要以上の沈み込みはありません。
中材はポリエチレン素材を使用しており、構造はエアウィーヴに似ています。
価格はやや高めなので、マニフレックスの方がお買い得感はあります。
ファイバーマットレスの洗い方
ファイバーに熱湯は厳禁
ファイバーマットレスを洗う上で、いくつかの注意点があります。
まず熱湯は厳禁です。
ファイバー素材は熱に弱いので、洗う際は40度以下のぬるま湯を使いましょう。
中性洗剤を使って洗えるファイバーマットレスもありますが、ファイバーの中心がストローのように空洞になっているタイプは洗剤が空洞に入り込んでしまう可能性があります。
ファイバー内部に入り込んだ洗剤は、洗い流すのが困難になるので、ぬるま湯だけで洗うことをおすすめします。
洗ったら十分に乾燥させる
ファイバーマットレスを洗った後は、マットレスをしっかり振ってください。
これでおおよその水分を飛ばせます。
大まかに水分を飛ばした後は、残った湿気をタオルで丁寧に拭き取ります。
その後は、陰干しでファイバー内部の水気を完全に乾燥させます。
完全に乾燥させず、水分が残った状態でマットレスカバーをしてしまうと、細菌発生による臭いの原因になるばかりではなく、ファイバー素材を劣化させてしまいます。
陰干し乾燥の所要時間は数時間を目安にしてください。
確実に自然乾燥させてからマットレスカバーをします。