コイルマットレスとは
マットレスの代表格は「コイルマットレス」かもしれません。
世界中のホテルなどにも導入されているので、誰もが一度は寝た経験があるでしょう。
ただ、コイルマットレスといっても構造や価格帯などに大きな違いがあります。
見た目は同じように見えても、中身はまったく別物で、ピンからキリまでたくさんの種類があります。
それを知らずに、適当に購入してしまうのは危険です。
初めてコイルマットレスを購入される方やコイルマットレスの買い替えを検討されている方は、基礎的な知識を習得してみてください。
コイルマットレスの種類
コイルマットレスには「ボンネルコイル」と「ポケットコイル」の2種類があります。
それぞれ全く違う性格を持っているので、その特徴を理解しておきましょう。
ボンネルコイルマットレス
・価格が安い
・寝心地は硬め
ボンネルコイルは、渦巻き状になったコイルを縦方向と横方向に連結させた、体を面で支えるシンプルな構造のマットレスです。
マットレス黎明期に開発されたオーソドックスな作りが特徴で、シンプルで価格も安く抑えられるため、最もポピュラーなコイルマットレスとして親しまれています。
コイルがむき出しになっているため、寝心地はやや硬めです。
また、劣化するとコイルのギシギシ音がしたり、振動を感じたりします。
ポケットコイルマットレス
・比較的高額
・振動が少なく寝心地がいい
ポケットコイルは、コイルが不織布でラッピングされ、それぞれ独立しているのが特徴のマットレスです。
コイルがむき出しで全て連結しているシンプルな構造のボンネルコイルマットレスよりも手間がかかっており、複雑な作りをしています。
その分、高額で「シーリー」「シモンズ」「サータ」などの世界的一流ブランドのマットレスは、ポケットコイルを採用しています。
体を面で支えるボンネルコイルマットレスに対し、ポケットコイルマットレスは体を点で支える構造になっているので、寝心地はなめらかで、振動も少ないでしょう。
コイルの並び方は「並行配列」と「交互配列」があります。
並行配列は、コイル数が少なくコイルの間隔も広くなるため、やや柔らかめの寝心地になりますが、交互配列は、互い違いに隙間を詰めるように並べるため、コイル数も多めで、横揺れが防止されて、しっかりめの寝心地になります。
コイルマットレスの構造
コイルマットレスはスプリングだけでできているわけではありません。
寝心地や肌触りをよくするための、いくつかのパーツから成立しています。
メーカーによって差はありますが、マットレス内部はおおよそ「ソフト層(肌に当たる布)」「支持層」「クッション層」から構成されています。
ソフト層
マットレスの最も外側の肌に接するのがソフト層です。
肌に直接触れるので、やわらかく、肌触りのよい繊細な生地が使用されます。
汗や湿気対策として、通気性の高いニットやシルクなどが用いられるケースが多いでしょう。
ソフト層は汚れてしまっても取り替えられません。
皮脂やフケなどで汚れないよう、きれいに使い続けるのがポイントになります。
支持層
コイルの上に敷かれており、コイルのゴツゴツ感を緩和し、バネ特有の痛みを感じさせない役割を果たしているのが、クッション素材の支持層です。
支持層により寝心地に柔らかさを出せるのです。
また、保温性や吸湿の役割を果たし、快適性にも貢献しています。
一般的に支持層には「ウレタン」「綿」「不織布」「フェルト」などを使用します。
ウレタンフォーム
スポンジに似た衝撃吸収に長けた素材で、ほとんどのコイルマットレスの内部に使用されています。
ウレタンフォームも高反発と低反発があり、それぞれを単体で使用したり、複合して使用したりとマットレスの性格に合わせ、使い分けがされています。
綿
支持層のボリューム増加と柔らかさ確保のために使用されます。
また、マットレス内部の臭いやダニ対策としても有用です。
フェルト
詰め物の間に入っている厚めの素材で、緩衝材のような役割です。
クッション層
マットレスの核心であるコイルの層を指します。
クッション層の良し悪しでマットレスの性格が決まると言っても過言ではありません。
コイルの並び方や種類によって寝心地が大きく変わるため、マットレスの中でも最も重要な層と言えるでしょう。
マットレス側面
コイルマットレスは側面にも「ベンチレーター機能」という大切な役割があります。
マットレスの側面のボタンのような穴がベンチレーターで、マットレス内の湿度や温度を調整します。
毎晩の寝汗はマットレス内部に吸収されますが、その湿気がマットレス内部に滞留すると、ダニやカビの原因になり、マットレスを劣化させてしまいます。
それを防止するために、側面にベンチレーターがあり、寝返り時にマットレス内の空気を放出してくれるのです。
コイルマットレスの特徴
ボンネルコイルマットレスとポケットコイルマットレスの特徴を「耐久性」「通気性」「寝心地」「体圧分散性」「横揺れ」で分析してみましょう。
コイルマットレス特徴一覧
ボンネルコイル | ポケットコイル | |
耐久性 | ◎ | ○ |
シンプルな構造で耐久性は高い | 複雑な構造で耐久性はやや低い | |
通気性 | ◎ | ○ |
コイルが露出しており、通性はよい | コイルが袋で独立しているため、通気性は低め | |
寝心地 | △ | ◎ |
硬め | 柔らかめ | |
体圧分散性 | △ | ◎ |
やや低い | かなりよい | |
横揺れ | △ | ◎ |
隣の人の寝返りが響く | 隣の人の寝返りが響きにくい |
ボンネルコイルに適した方
マットレス初心者
やや硬めの寝心地で敷き布団に近い寝心地なので、マットレスの入門編としては最適な選択です。
また、価格もお手頃なので、この点でも試しやすいでしょう。
汗をかきやすい方
マットレス内部がシンプルな構造なので、湿気が溜まりにくく、通気性に優れています。
寝汗の湿気も放出されやすいので、長期間快適に使えます。
体格のよい方
沈み込みが少ないので、体重のある方が寝ても、寝姿勢が崩れにくいでしょう。
腰痛や肩こり対策に最適で、体の負担が少なくなります。
ポケットコイルに適した方
2人寝で使う方
振動が伝わりにくい構造なので、隣の人の寝返りが気になる方に最適です。
寝心地を追求したい方
優しい感触で寝心地は最高です。
コイルがそれぞれ独立しているため、やわらかい寝心地が楽しめます。
疲労を回復したい方
体圧分散性に優れ、腰や肩などへの負荷が減ります。
寝返りのサポート力も十分なので、血行が促進され、筋肉やじん帯の疲労が回復します。
コイルの硬さ
コイルにも「ソフト」「レギュラー」「ハード」の3種類の硬さがあります。
硬さは単純に体重に応じて選ぶとよいでしょう。
ソフト
体重が軽い女性、お子様、高齢者におすすめ。
レギュラー以上の硬さだと、体の沈み込みが感じられず、少し硬く感じるかもしれません。
体の負担軽減にためにも、なるべく柔らかめを選ぶといいでしょう。
レギュラー
平均的な体重の成人男性や成人女性におすすめ。
一般的な寝心地ならレギュラーが無難です。
ソフトとハードの中間なので、迷ったらレギュラーにしておきましょう。
ハード
大柄な成人男性におすすめ。
体重のある方は柔らかすぎるコイルだと体が沈み込んでしまい、腰痛や肩こりの原因になります。
コイルに負荷をかけすぎるとマットレス自体の寿命にも影響するので、ハードタイプが最適でしょう。
コイルマットレスの口コミと評判
コイルマットレスの口コミや評判を集めてみました。
賛否はありますが、概ね「寝心地」に対する評価が高いようです。
女性には少し重く持ち運びが大変です。空気を入れたら一気に膨らむので、ベッドの上で開封するとよいでしょう。
寝心地は思っていた以上に柔らかいです。今まで使ってたボンネルコイルマットレスとの比較で、より沈む感じ、包み込む感じがあり、上質な眠りが実現できます。
寝心地はふかふかで、適度な反発力があり、熟睡できます。畳の上で敷布団で寝ていたときより全然ゆっくり寝れます。腰痛にも効果がありそうです。
今回も日本製でよさそうなコイルマットレスを探しておりましたところ、フランスベッドの商品を見つけまして、購入しました。
これまでのマットレスは10年以上も使っていたスプリングタイプでしたが、バネから異音がしてきたので寿命だと感じ、買い替えを検討しました。
フランスベッドのマットレスは多くのポケットコイルで支えられているので、寝返りの際の揺れが少なく、スプリングが体に当たって痛いこともありません。寝心地は抜群です。体の沈み込みが少なく、硬めの寝心地をお求めの方にはおすすめめです。
購入したのは比較的高額なポケットコイルマットレスでした。もっと安価なマットレスはありましたが、寝心地がよいポケットコイルマットレスにしました。
ウレタンマットレスに比べ、腰の沈み込みはなく気持ち良く眠れます。やはりポケットコイルマットレスの寝心地は最高です。