マットレスは決して安くない買い物なので、いいコンディションを保ちながら、できるだけ長く使いたいものです。
そこで必要になるのが、マットレスの「ローテーション」です。
マットレスのローテーションとは、マットレスを定期的に裏返したり、上下を変更する作業のことで、最も簡単なメンテンスのひとつです。
マットレスをより長く使うために、ローテーションは必須ですが、サイクルややり方を知らない人も多いので、その意味や価値、さらに正確な手法を解説していきます。
マットレスのローテーションの意味
マットレスは劣化する
マットレスは、毎日7時間程度、体重を受け止め続ける過酷な役割を担っています。
しかも、それは数年にわたるため、長い時間をかけて、最も体重がかかる腰部分などが凹んでいき劣化します。
この凹みによる劣化がマットレスの寿命を縮める原因になり得るのです。
また、マットレスを固定して設置していると、裏面に湿気が溜まり、カビの原因になります。
洗えないマットレスはカビが致命傷になります。
つまり、カビが発生した段階で、廃棄せざるを得なくなるのです。
凹みや湿気によるカビの有効な対策として、マットレスを定期的に裏返したり、回転させたりすることが大切になるのです。
ローテーションで寿命を延ばす
マットレスの寿命は、マットレスのローテーションにより延ばすことができます。
睡眠時、主に腰や臀部に負荷がかかるので、定期的にローテーションすることでマットレスの負荷を分散させるのです。
負荷を分散することにより、一箇所の加重集中による凹み劣化を避けることができます。
これにより、マットレスを長持ちさせることができます。
マットレスのローテーションのサイクル
ローテーションのタイミング
マットレスを長持ちさせるためには、定期的なローテーションがおすすめですが、そのローテーションのタイミングは「3ヶ月周期」を目安にしましょう。
マットレス購入時からの年間ローテーションタイミングは以下の4回です。
購入から3ヶ月後 | 頭部と足元(上下)を回転させる |
購入から6ヶ月後 | 表面と裏面を裏返す |
購入から9ヶ月後 | 頭部と足元(上下)を回転させる |
購入から12ヶ月後 | 表面と裏面を裏返す |
マットレスの上下を回転させる場合
1.マットレスを手前に引く
2.頭部と足元が逆になるよう180度回転させる
3.回転させた状態でマットレスを押し込む
マットレスの上下は同じ構造なので、どっちを使っても差はありません。
マットレスを裏表にする場合
1.マットレスの側面を下にして立てる
2.立てたままマットレスをずらす
3.今まで使っていた面が下になるように倒す
マットレスを曲げないようにする
裏返す際に、マットレスの取り扱いには注意が必要です。
特にマットレスを曲げたり、歪にしないように注意しましょう。
曲げるなど、不自然な形での使用は、内部のスプリングの損傷原因になります。
このような点に留意し、ローテーションを3ヶ月サイクルで行うことにより、マットレスの負荷が集中する位置が変わり、凹みを防止できます。
3ヶ月サイクルのローテーションを行えば、なにもしない場合より、マットレスの寿命を数年は延ばすことができるでしょう。
片面仕様のマットレス
多くのマットレスは表裏に違いはありませんが、中には片面仕様のマットレスも存在しています。
もし片面仕様のマットレスの場合は、上下(頭と足の位置)のローテーションだけでも3ヶ月サイクルで行うようにしましょう。
上下の入れ替えだけでも無駄にはなりません。
それだけでも寿命の延長に効果てきめんです。
重量のあるマットレスでローテーションできない
高級なポケットコイルマットレスを中心に、かなり厚く重量のあるマットレスがあります。
このような重たいマットレスの場合、特に女性ではローテーション作業が困難になります。
重いマットレスを無理に移動させようとして、ギックリ腰などの思わぬ怪我につながることもあるので、絶対に無理は禁物です。
また、ベッドからマットレスを落下させ、中のコイルを破損させてしまう可能性もあります。
コイル交換などの修理代はバカにならないので、ローテーション作業は慎重に行ってください。
とりわけ裏表にする作業は力が必要なので、重たいマットレスの場合は、上下だけのローテーションするなど、できる範囲にとどめておく判断も必要です。
マットレスのサイズによる対策
シングルやセミダブルのマットレスは比較的軽量ですが、クイーンサイズ以上のベッドマットレスはかなり重たく、男性でも裏返すのに苦戦します。
もしクイーンサイズ以上のマットレスを購入する場合、ローテーション作業を考慮し、セミシングルマットレスを2台購入し、連結させてクイーンサイズにする手もあります。
セミシングルサイズのマットレスであれば、ローテーションも容易です。
ローテーションと同時にやるべき作業
マットレスのローテーション作業の際に、同時に行うべき作業があります。
これらを並行して実施しておけば、よりマットレスの寿命を延ばすことができるでしょう。
マットレスの除湿シートを交換
マットレス裏面に溜まる湿気を防止するための「除湿シート」の活用は必須といえるでしょう。
マットレスのローテーション作業は、この除湿シートを変える絶好の機会です。
マットレスを裏返す際は、替えの除湿シートを準備しておき、一緒に交換しておきましょう。
また、湿気対策として、ベッドを壁に密着させない工夫も必要です。
ローテーションの際は、壁と隙間ができる位置にマットレスを配置してください。
陰干しをする
マットレスのローテーション作業は、陰干しの絶好の機会でもあります。
すぐにマットレスをセッティングせず、一旦壁などに立て掛けておき、湿気を飛ばせればベストです。
さらに、扇風機などを使って、風を当てられれば、さらに効果的でしょう。
日光にあてる
干せるマットレスであれば、直接日光に当てることも効果的で、最高のカビ・ダニ対策になります。
但し、ファイバー系マットレスやウレタンマットレスなど、日光に当てることが禁止されているマットレスもあるので、注意が必要です。
トッパーやプロテクターも交換
マットレスのローテーションの際に、マットレストッパーやマットレスプロテクターも交換してしまいましょう。
定期的にマットレストッパーやマットレスプロテクターを交換することで、衛生状態が保たれます。
ローテーション作業のまとめ
マットレスのローテーション作業について紹介してきました。
マットレスは定期的なローテーションにより、一層長持ちし、寿命を延ばすことができます。
また、湿気を放出することで、カビやダニ対策にもなるので、3ヶ月に1度のローテーションを習慣化することをおすすめします。