すのこでマットレスのカビ対策
寝汗などの影響で湿気を溜めやすいマットレスですが、その対策として有効なのが「すのこ」です。
特に床(フローリング)や畳に直接マットレスを敷く場合は、湿気放出用のすのこは必須になります。
しかし、すのこだけでマットレスのカビ対策が完了するわけではありません。
室内の湿気や睡眠環境の違いによっては、すのこだけでは不十分なケースもあります。
ここでは、すのこの使い方や選び方に加え、より効果的なマットレスのカビ対策を総合的にご紹介します。
すのこの選び方
正しいすのこの選び方は「すのこ下の空間の広さ」と「すのこの材質」を軸にすること。
このふたつの条件を加味すれば、マットレスにカビが生えにくくなり、快適な睡眠環境をつくれます。
すのこ下の空間が広い
すのこの主たる役割は「マットレス下部の空気を循環させる」こと。
当然、マットレスの下に位置する、すのこの空間が広くなれば空気が循環しやすくなるので、カビの発生を低減できます。
特におすすめなのは、脚付きのすのこベッドです。
脚付きなら、その分の空間が確保され、空気が循環しやすくなります。
但し、脚付きのすのこベッドでも、ベッドの下に衣装ケースなどを入れてしまうと効果は半減どころか、空気が滞留しやすくなり、カビの温床になるリスクがあるので、注意が必要です。
すのこの材質
マットレスのカビ発生を防止するためのすのこですが、すのこ自体にカビが生えてしまうケースがあります。
そこで考えたいのが「すのこの湿気管理」です。
すのこの材質は「樹脂」と、木製の「桐」「ヒノキ」「スギ」「パイン材」などです。
中でも最も湿気に強いのは「樹脂」で、まずカビの心配はいりません。
一方、木製のすのこでは、マットレスとの接地部分はほとんど通気できず、少しずつ湿気を吸い込んで、カビが生えやすい環境になっていくのです。
それでも、桐、ヒノキ、スギは調湿性を持っているので、まだカビに強いのですが、パイン材は湿気に弱いため、カビ対策素材としては不適です。
価格が安いすのこはパイン材が多いので、あまり価格を優先しない方がいいでしょう。
木製のすのこであれば、比較的高額でも桐、ヒノキ、スギのすのこがおすすめです。
すのこの使い方
マットレス用のすのこは「床置き用」と「ベッド」の大別されます。
床に直接敷く場合
マットレスをフローリングなどに直置きする場合は、湿気の逃げ場がなくなるので、すのこの活用が必須です。
床用のすのこは、マットレスも干せる「四つ折りタイプ」や収納に便利な「ロールタイプ」などがあります。
四つ折りタイプ
ロールタイプ
しかし、すのこを使ったとしても、マットレスとフローリングの間にあまり空間が作れないので、必ずしも十分な通気性を確保したとは言い切れません。
マットレスをフローリング直置きする場合、すのこに加え、定期的なマットレスの陰干し作業などが必要になるでしょう。
すのこベッド
すのこベッドは、床とマットレスの間の空間を確保しやすくなるため、圧倒的に通気性がよくなります。
但し、油断は禁物です。
ベッド下部の通気性はよくなるものの、すのこと接地するマットレス裏面のカビリスクはゼロではありません。
すのこベッドを使っても多少の湿気は溜まるので、定期的なマットレスの陰干しは欠かさずに実施してください。
また、すのこベッドはマットレスとの接地面積が少なくなるため、どうしてもズレやすくなります。
滑り止めシートなどを活用し、マットレスの移動を防止すれば、より安全な睡眠環境を用意できるでしょう。
すのこが必要ない場合
マットレスのカビ対策にすのこが必須かといえばそうではありません。
必ずしもすのこを使わなくてもよいシチュエーションがあります。
どんなときなら、すのこを使わなくてよいのかをケース別に解説してきます。
マットレスの表面にカビが生える
マットレスの表面のカビは、必ずしもすのこが必要ではなく、敷きパッドで対応できる場合もあります。
すのこは主にマットレスの底面の湿気対策です。
マットレスの表面だけのカビであれば、寝汗や皮脂が原因であることが多いので、敷きパッドの方が有用なのです。
もしマットレス表面だけで裏面にカビが発生してなければ、すのこの必要性は高くないので、まずは敷きパッドで対応しましょう。
寝室の湿気管理ができている
定期的に窓を開け、空気の循環をするなど、寝室内の湿気管理ができていれば、すのこは不要かもしれません。
また、定期的にマットレスを立てかけるなどの湿気対策をしていれば、すのこを使う必要は低いと考えてもいいでしょう。
もし、マットレスを壁から離せなかったり、マットレスの底面を空気と触れさせるのが困難な場合は、すのこの導入を検討してください。
すのこ使用の注意点
畳で使うのはNG
木製のすのこを畳で使うと、畳を傷つけてしまうリスクがあります。
寝返りのタイミングなどですのこがズレてしまうと、すのこと畳がこすれて畳に傷が付いてしまうのです。
もし、どうしても畳ですのこを使うのであれば、傷がつきづらい樹脂製がおすすめです。
敷き布団で使うのはNG
敷き布団とすのこの組み合わせは、あまりおすすめできません。
特に薄い敷き布団の場合は、背中ですのこの硬さを感じやすくなってしまい、寝心地が悪くなってしまうのです。
すこのを使う場合は、ある程度の厚みがあるマットレスがおすすめです。
カビが生えにくいマットレス
おすすめは高反発マットレス
すのこの上にマットレスを敷く場合は、高反発マットレスが最適です。
但し、薄いマットレストッパーは底づき感が出るのでおすすめできません。
できれば5cm以上の厚みのある高反発マットレスを選択してください。
中でもファイバー系の高反発マットレスは、通気性が抜群なので、すのことの相性もバッチリ。
ファイバー系マットレスとすのことの組み合わせは最強と言えるでしょう。
低反発マットレスは通気性最悪
一方、低反発ウレタンマットレスは、通気性が悪くカビが生えやすい特性があるので、おすすめできません。
すのこを使ってもカビ発生のリスクを低減できないでしょう。
カビ対策であれば、すのこと高反発マットレスの組み合わせがベストです。
おすすめのすのこ
すのこと言えば「タンスのゲン」と「アイリスオーヤマ」が人気でおすすめです。
タンスのゲンもアイリスオーヤマも価格が安く、比較的高品質なので、購入しやすいすのこです。
タンスのゲン すのこマット シングル 二つ折りタイプ
アイリスプラザ すのこマット 桐 ロール式 シングル
タンスのゲン すのこマット シングル 四つ折りタイプ
アイリスプラザ ベッド すのこ シングル
タンスのゲン すのこベッド シングルベッド
すのこ以外のカビ対策
マットレスのカビ対策は、すのこのみでは足りない場合があります。
他の周辺アイテムなどとの組み合わせで、より湿気放出に効果を発揮するようになるので、「すのこプラスアルファ」を検討してください。
また、すのこが使えない場合などは、周辺アイテムを積極的に活用し、湿気・カビ対策を実施してください。
除湿シート
マットレスの下に敷く除湿シートは最も効果的なカビ対策のひとつです。
除湿シートを敷くとマットレス下に溜まった湿気を吸収してくれるので、ジメジメ感がなくなります。
もちろん、すのこに加え、除湿シートを使えば最強の湿気・カビ対策になります。
敷きパッド・マットレスプロテクター
マットレスの表面に敷く「敷きパッド」や「マットレスプロテクター」も湿気対策に効果を発揮します。
敷きパッドやマットレスプロテクターがあれば、寝汗による湿気を防止できるので、マットレス内部の湿度を低くできるのです。
また、湿気防止の副次的効果として、マットレスの劣化防止にもつながります。
陰干し
すのこの活用有無に関わらず、マットレスの陰干しは、欠せないメンテンスの基本です。
すのこや除湿シートなどの湿気対策をしていていも、決して完璧ではないので、長期間放置してしまえば、カビ発生の可能性は高まるのです。
そこで重要になるのが陰干しなのです。
定期的な陰干しにより、湿気は放出されるので、カビ発生の可能性は低くなります。
窓を開け、室内に空気の通り道を作り、陰干しをしてください。
同時に扇風機などを使えば、より効果的です。
特に梅雨の時期や汗をかきやすい夏場は、週1回程度の陰干しが必須です。